第7章 その日 口火を切る
こくりこくりと、飲み干したコーヒーで体が暖まり、ひと息ついた私。
対する石田さんは、ふうっと息を吐いているが、少し表情が硬いような………気がする。
どうしたのかと気になって、声をかけようかと思った矢先ーー。
「僕の話したかったことは、少し前に話した友人の事………なんだ」
「その方は………以前石田さんが言っていた方ですか?」
「………うん。
石津さんには心苦しい思いをさせてしまっている事、なんとなく感じてる。
それは、僕が嫌だから………………君に話したいと思ったんだ」
「その御気持ちは、私には勿体ないくらいですが、それをする事で貴方の心は辛くならないですか?
大切な人だと………簡単には折り合いがつかない事だと………石田さんが言っていたのを覚えてます。
前向きに考えてのことでしたらいいのですが、私が原因なら謝りますっ!
だから………私より貴方の心を、その方の事を優先して………ほしいです」
ギュッと服を握りしめていた事に気付いた。
でも、いま言葉にしたのは私の本心で。
彼が言う大切な友人であるその人の事は、石田さん自身が一線を引いているものだと、私は思っている。
線を引いて、大事に………触れられないようにしているんじゃないかって。
だから………どうして石田さんが話してくれるのか、理由を知りたかった。