第7章 その日 口火を切る
いつの間にか、雨は上がっていた。
それでも暗い雲が遠い空に見えていて、暫くすればまた雨は降るのだと容易に想像できる。
「こんな天気なんて予報になかったですよね………」
「あくまで予報だし、外れることもあるんじゃないかな」
苦笑いをしながら答えた石田さんが、ひとつの提案をもちかけた。
1時間後--。
再び降り出した雨の勢いは強かったけれど、私は濡れずにすんでいる。
石田さんの提案とは、場所を変えてまた話をする事。
それには私も賛成だった…………けど。
その場所が、石田さんのアパートになるとは思わなかった。
3軒お店を巡ったけれど、この不安定な天気で満席だった。
だから、1番近い石田さんのアパートを目指したんだけれど。
時間切れとばかりに、強い雨が降ってきたのだ。