第2章 戸惑いこころ
恥ずかしさも体の熱も引いた頃、私は突っ伏したままウトウトしていた。
クラスに人の気配や声が少しずつ増えていくのを感じていたが、頭が冴えない。
そんな時、椅子の引く音が
すぐ隣から聞こえた。
石田さんが帰ってきたようだ。
このままでは良くないと思った私は顔を上げて鞄からノートや筆箱をだして机にしまう事にした。
「あの……。」
一瞬、声が聞こえたような気がして
隣を見ると石田さんが持手付きの茶色い紙袋を差し出していた。
「……教科書。
まだ届いてないだろうから。」
「……………え?」
貰った袋は結構重い。
中を見れば、薄く青色の板のようなものが一冊。開くと透明な袋に教科書の内容が書かれた紙がたくさん詰まっていた。
次も、次も、そのまた次も。
最後までギッシリと。
思わず、石田さんを見てしまう。
石田さんも私を見ていた。
「……いいんですか、使っても。」
「無いと困るのは君だろう。」
確かに、そうなんだけど。
でも、何より今は………
突然の事で驚く心と、湧き上がる嬉しさを落ち着かせて。
「ありがとうございます、石田さん。
大事に使いますねっ」
お礼を言わなくちゃ
「……別に、お礼なんていいよ。
たいした事したわけじゃないから。」
石田さんの視線も体の向きも私からは外れてしまったけど、そんな事は気にならなかった。
授業が待ち遠しいな。
時間、早く過ぎないかな。