第2章 戸惑いこころ
a.m7:11
時間が早いせいか、生徒は数人しかまだいない。
教室に足を踏み入れようとして
二の足を踏んでいる私。
ちょっとだけ仮眠を取ろうと思って、早く来たのに。
貴方も朝は早いんですね、石田さん。
本を片手にひとりで席に着いていた。
こんな教室の入り口で隠れる私もどうかしてるとは思う。
けど、昨日は殆ど会話してない。
なんなら、初めて会った挨拶がまともな会話な気がする。
気まずい
でも、いつまでもここにはいれない。
戸口に背を預けながら、深呼吸をする。
よし、笑顔で 普通に いこう。
相手は得体の知れない人じゃない、石田さんなんだから!
鞄を肩にかけ直して、私は教室に入った。
机まで30メートルもない距離が遠く感じたけど、足は止めずに。
いざ、挨拶!
「お、おはようございます。
いしゃだ………………………さん」
「……………………………………おはよう」
眼鏡のブリッジを直しながら、それでも
挨拶をしてくれた石田さん。
と
席につき、机に突っ伏した私。
絶対、耳赤い! 首の後ろが熱い!
自分の失態に打ちひしがれていた私の耳に届いたのは椅子を引く音と、遠ざかる足音。
そっと石田さんの席に視線をむけると
彼の姿はなく。
盛大な溜息を私はついた。
「……茶渡、あいつら何だと思うか?」
「石田に聞いたらどうだ、一護。」