第2章 戸惑いこころ
目覚ましの音が遠くに聞こえる、ような気がする。
煩いなぁと手を伸ばせば、
丸い時計に触れた。
……眠すぎて目が開かない。
頑張って開いた瞳がとらえた時刻は、
起きなくてはいけない時間…よりはだいぶ早い。
起き上がった私は、身支度を整え洗面台に行く。
長い髪をひとつに緩く束ねて右肩から下ろす。所々くすんだり昔より短くなってしまったが、鮮やかな水色の結い紐はずっと使い続けている。
いつから持っていたのかは覚えていないけど、ずっと身に付けているお守りみたいになっている。
色合いが気に入っているし、大切にしたいと無性に思うから。
鞄を掴んで台所に向かうと
朝ごはんはすでに出来上がったところだった。
「おはようございます、みなさん」
「おはようございます石津さん。
昨日は夜遅くまでご苦労様でした。」
「仕事ですから大丈夫です!って言いたいですけど、ちょっと眠いです」
ご飯をもってきたテッサイさんにお礼をした私は、気になって聞いてみた。
「あの、雨ちゃんとジン太くんは?」
「今日はまだ寝てるみたいッスね。
でも、あの子たちは大丈夫。
先に食べちゃいましょうか。」
時計を見ながら答えた喜助さんは
お箸に手にした。
せっかくならみんなで食べたかった朝食だか
目が覚めてしまったのだから仕方ない。
テッサイさんお手製の朝ごはんをいただいた。
焼きたての鮭と大根・きのこの味噌汁
テッサイさん自慢のお漬物にごはん
朝からお腹が幸せだった。
もちろん完食。
早めに登校することにした。
ローファーを履いているとテッサイさんに
声をかけられた。
「石津殿、今晩のごはんに何か要望はありますかな?」
「要望ですか?うーん……。
カレーがいいんですが、お願い出来ますか?」
「もちろんですとも。」
にこやかな笑顔で応えてくれた彼と入れ違うように、喜助さんが現れた。
「帰宅したら義骸の調子をみようと思うんで、それだけ頭に入れといてください。」
「わかりました、なるべく早く帰りますね。
いってきます!」
「いってらっしゃーい。」
扇子を振りながら喜助さんは見送ってくれた。
今日の学校も、頑張ろう。