第7章 その日 口火を切る
行きと違って手ぶらになった墓参りの帰り道、俺は石田に言われた事を思い出していた。
『すまない、黒崎。
やはり話すのは………少しだけ待ってくれないか』
『あ? なんで急に………』
『君に話すことは変わらないが、1番初めは………石津さんに話したいんだ』
何時になく真剣な顔でそう言った石田は、少し緊張している様にも見える。
そんな顔を、ましてや………そんなことを言われるなんて思わなかった。
俺も、ちゃんと応えなければ。
『いいんだ、順番なんてどうでも。
お前が石津に話したいって思うなら、そうすればいい。
どうするのも自由だせ。ただな……………アイツは仲間だ。お前等の間に何があっても、傷つけることはすんな』
『………わかってる。僕もそんなことはさせたくない』
『そうか……………』
それから暫く黙ったまま、俺達は分かれた。
石田なりにいろいろ考えた末の事だから、俺が何か言える訳はない。
もし、空から槍が降るなんて位の確率で相談でもされたなら、話はちゃんと聞こうと決めた。
ふと顔を上げれば、自分の家の前に着いていた。
思うことはあるが………。
今は、泣き出した腹の虫を抑えるためにも玄関へと手を伸ばす。
「お兄ちゃん、おかえりなさい!」
「イチ兄どこ行ってたんだよー心配しただろ?」
「悪いな遊子、カリン!ちょっと散歩だ」
「2時間も?!」
「我が息子ながら…年寄りくさいな一護よ!」
「うっせーぞ、クソ親父‼︎‼︎」
「喧嘩しちゃダメ!ご飯抜きにするよ?!」