第7章 その日 口火を切る
総隊長はあの後、伊勢副隊長からの要請でそのまま先にソウルソサエティへと戻られた。
事前に石津の事が落ち着くまでは、現世で助けてらっしゃいと総隊長から言付かった私はご厚意に甘えて、そのまま浦原商店にいる。
十三番隊のみなは今、休息をとり他隊の活動補助をしだすまで、暫しの自由な時間を過ごすようにと通達があった。
平時ではまずあり得ないことだが、今はそれが許され、隊同士で協力をしながら復興活動をしている。
新しい茶を淹れに、席を立った鉄裁の背中を見送りながら、私はひとつの考えを胸に浦原へと言葉をかけた。
「何か言いたげな顔ですね、朽木さん」
「私はな浦原………貴様が我々と幾たびの戦いを共にしてわかったが、貴様が成すことを信頼している。
一護をはじめ浦原のおかげで救われた事があるからだ。
だが、先程の石津の話で感じた違和感が……どうも拭えなくてな」
「やだなぁ、買い被りッスよ。
にしても違和感………ですか?
なんでしょうね?」
「ひとりの席官が気付けた疑問………と言うか推論を、貴様ほどの男が本当に今まで思いつかなかったのか?」
「………………………………」
じっと私は見つめた。
口をついた言葉は、本心だからこそ知りたかったものだ。
しかし、その場は動かない。
帽子の影に隠れた目は見えないが、私の言葉に浦原は終ぞ何も答えはしなかった。