第7章 その日 口火を切る
「………どうしたのだ、石津?」
「あ、いえ。もう昼なんだなと思っただけです」
不思議顔の朽木副隊長にそう答えた私。
そして何か気付いたように、膝を打った浦原さん。
「ああ、石津さんこれからお出かけでしたね」
「いいねぇ、散歩かい?」
「それが逢引らしいんですよ」
瞬間、場の空気がピシリと止まる。
「………………………ヘェ〜」
「………………………石津………」
「ち、ちち違います‼︎変なこと言わないでくださいよ!」
「いいじゃない。年寄はそうゆー話聞きたいもんだ。特に君は浮いた話無かっただろう?」
「………………隊務中なのだ。
程々にしろよ」
「そんなニヤついた顔もジト目もしないでください!違うんですから‼︎」
「付いて行ったりしちゃ野暮だよねぇ。
相手さんが気になるとこだ。そう思わないかいルキアちゃん?」
「まあ少しは………しかし、二人の事に他人がおいそれと首を突っ込む訳には………もちろん応援はしたいと考えていますが………」
「ああーーーー‼︎‼︎」
二人の上司のからかっているのか、真剣なのか分かりづらい会話に、思わず頭を抱える。
そして、何故だか顔が赤い気もした。
そんなんじゃないと散々否定の言葉を重ね、本当に付いてきそうな総隊長達を振り切って、私は商店を後にしたのだった。
「ねーちゃん、すごい勢いで出てったぞ」
「トマト………茹蛸………それ位赤い顔してました」
「やりすぎちゃいましたかね………」
「確かに、悪戯が過ぎましたな店長。
見ていて微笑ましくはありましたが」