第7章 その日 口火を切る
「ふうん、虚の突発的かつ大量出現ねぇ。涅隊長からも報告があって、僕も気になったから調べたんだ。
そんな記録は2年前に一度現世であったんだろう?」
「その時の事は………」
言い淀む朽木副隊長の様子を横目に、総隊長が再び口を開いた。
「まあ、此処は重霊地だからね。霊も虚も集まりやすい土地柄ってことかな。
………それに異形の虚までとは、コッチも忙しそうだね浦原店長」
「石津さんも含めた黒崎さん達がちゃんと対応してくれたんで、無事に済みましたが………………それに関しちゃ気になるとこっスね」
「しかし、虚が同じ虚を喰らうなどとは…………まるで………」
「石津………?」
「いや、あくまで………推論ですが。
なんか、メノスになる前の共喰いみたいじゃないですか?」
考えながらゆっくり話した私の耳に、副隊長の息を呑む音が聞こえてきた。
「………………!」
「仮にそうだとしたら、厄介な話だねぇ。
下手に斬ってしまえば魂魄の流れは大混乱だし、かと言って野放しもよくない………」
「あ、すいません…!余計な話です。総隊長の心労を増やすつもりは無くてですね………」
「大丈夫。もし君の言う推論ってのが正しかったとして、いつかは対処しなくちゃいけない事には変わりはないんだ。
頭に留めておきたいだけだからね。
ただ…………ちゃんと調べて、慎重に当たらないとね」
「はい…………」
話は終わり、沈黙が辺りを包んだ。