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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第6章 手をのばすは夢の中


よくこんな隅の方に、温泉なんて湧いていたなぁと思う。

地下勉強部屋の最奥に小高い崖があり、その下に石組みで広がる温泉があった。

近づいていけば、崖の陰には湯上りに必要なタオルや着替えが置いてあり、私は目を丸くした。

きっと、浦原さん達が用意をしてくれていたのだろう。

その事に感謝しつつ、ぐるりと辺りを見回してみる。

誰もいない今ならゆっくり浸かれるだろうと思い、温かな温泉に足をつける。














体が解れていく感覚に、ほうっと息をはく。

お湯と一体になったかの様に体に暖かさが滲み入る。

心なしか体の痛みが引いている気がして、湯から腕を出してみると。

「傷が消えてる……!」

シュウシュウと湯気を上げながら、みるみる傷が癒えていた。

その事に驚きつつも、体に広がる程よい湯加減が優って再びとぷんっと湯に戻す。

浦原さんの言葉で長い間、風司と斬り結んでいたのだと、ぼんやり考える。




明日は少し忙しなくなるな………。
定例報告に調査結果を聞いて、きっと午前中は直ぐに終わるだろう。

その後は暇をもらっているから、ゆっくり出来るといいけれど。
石田さんと、話すのかーー。

1番最初のギスギスしていた事を思えば、今はだいぶ…その、仲良くさせていただいてる様な気はする。

黒崎さんには厳しい時もあるが、基本的には良い人だ。















昨夜の公園でのやりとり。
交わした言葉。

頭によぎった、心配したと告げてくれた石田さんの顔。


困った様に眉が下がって
でも瞳は真っ直ぐ私を見ているーーそんな表情。


怒っているわけでも、責めているわけでもない、純粋に言葉の通りに心配したと、物語る錫色の瞳。



次々に浮かんでは、頭から離れなかった。



   どうしてこんなに…考えてしまうのか
   これじゃ、まるでーー











考えた事を振り払う様に勢いよく湯から出て、身支度を整えた。

今は明日の為に休むのが吉と、早足で部屋へと戻り、無理やり布団を頭から被ったのだった。
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