第6章 手をのばすは夢の中
「それじゃ、おやすみなさい浦原さん」
「はい、おやすみなさい石津さん。あんまり無理しちゃ体に毒っスよ?」
襖に触れていた手を下ろす。
振り向けば、にこりと笑う浦原さんが。
もしかして、これからやろうとしてることを気付かれたのかな。
「………善処します」
敵わないなぁと思いながら、返事をして部屋を出る。
間借りしている部屋に戻れば、モネはぐっすり寝ていた。
日を跨ぎそうな時間だし、それも当然か。
休まなくてはいけない事は、わかっている。
でも眠気も来ないし、今は何かやるべき事をしていたかった。
でないと、いろいろ考えてしまうから。
明日の事。そして、石田さんの事を。
掌で顔を覆って思考を遮る。
「よしっ。やろう!」
気持ちを引き締めるように、私は呟く。
そして、机に向かって暫く筆を走らせるのだった。