第6章 手をのばすは夢の中
寝る支度を整えて私はいま、浦原さんのもとにいる。
本当は一番に報告しようと足を運んだのだが、彼に寝支度を済ませてからでいいと、にこやかな笑顔で半ば強引に背を押されたため渋々従い、時間がかかってしまったのだ。
お茶を啜る浦原さんの前に腰を下ろして、私は改めて報告をする。
「浦原さん、今日はすいませんでした」
「いいえ。探し物は見つかりましたか?」
「はい。石田さんが渡してくれました。見つけてくださったのは井上さんでしたけど、お二人にお礼をしようと思います」
その言葉を聞いて満足そうに目を細めた彼は、思い出した様に膝を叩いた。
「それはよかった!そうだ石津さん、明日の朝ですがソウルソサエティから使者が来るそうです。なんでも涅隊長の結果を持参するって話でした」
「わかりました。私もそれが終われば定例報告に向かいます。あの………それで、午後は自由な時間がほしいんです」
「と、言うのは?」
「えと………行きたい場所があるんです」
何て言えばいいのかわからなくて、つい、目が泳いだ。
別に、隠す必要はない筈なんだけれど。
何故か………素直に"石田さんと会う"と言えなかった。
「ほほう。逢引ですか………」
「ちっ違いますよ!公園に行くんです!」
「なるほど。密会場所が公園とは、なかなか目立ちますよ?」
「………浦原さんっ!」
「冗談っスよ………怒らないでください。明日の報告はそんなに時間がかかる物ではないでしょうからね。いいんじゃないっスか?」
「ありがとうございます」
涼しい顔して、なんて事を言うんだこの人。
クスクス笑いが嫌に目につくが、ぐっと堪えた。
でも、一応許可も頂いた。
明日の報告の為にも、最近の出来事を分かる範囲で纏めなくては。