第6章 手をのばすは夢の中
ずぶりと水に浸かるみたいに、だんだん体が冷たくなる。
さっきまで開いていたはずの瞳は、固く閉じていて何も見れない。
おまけに開けれもしない。
冷えていく体に合わせて、更に動かなくなる体。
どうしたんだろう 私は。
このまま 死ぬのかな。
誰も 護れずに 終わるのかな。
"そのままなら、貴方はいずれそうなるよ"
聞こえた言葉の後には、鳥の囀りが耳に響く。
目蓋の裏に浮かんだのは、夢で見た青い鳥だった。
そのままって、動けない体ではどうしようもない。
"貴方に潜む毒は、じきに解かれるよ。
貴方の仲間が必死になって助けているからね。聞こえるでしょ?"
視界が塞がったぶん、音はよく拾うらしい。
声が 聞こえた。
''石津さん!しっかりするんだ!
黒崎達も来てくれたっ!
来るのが遅いって叱るの僕だけにする気かい?
………頼むから起きてくれっ!!!"
石田さんの 声
どうして そんなに必死なんですか
どうして 喉が裂けるぐらいの声 出してるんですか
"ね? 呼んでいるよ 貴方を"
私 まだ やれるの? 護れるのかな?
"貴方が それを望むのなら いくらでも
心が決まれば 体も動く意思をもつ
貴方は どうしたい?"
護りたいっ
立ち上がって 護って 生きたい!!
その言葉とともに、体に暖かさが戻り、目を開けることが出来た。
"ほら 魂で繋がれた刀も貴女を待っているよ"
視線の先には、夢で見た通りの青い鳥と、私を黒い茨城から守るように風を纏わせた風司が目の前にあった。
"貴方を捕らえていた、一つの毒です
もう貴方に触れはしない
今なら手を伸ばせる いってらっしゃい"
ぐっと風司の柄を握れば、靡く風に包まれた。
そして私は、暗い世界から抜け出した。
"また会えるから。私はそれまで待つよ
早く 気付けるといいのだけれど"
そして
ひと鳴きの囀りと共に、小さな青い鳥の姿も羽ばたいて消えた。