第6章 手をのばすは夢の中
それは、独特な形状の斬魄刀だった。
銅剣に酷似しているが青銅色ではなく、その長い剣身も柄も柄頭も、美しい白銀色をしていた。
そして目に鮮やかな蒼がふた節、流れる様に風に棚引いている。
遠目から見て、それは柄頭に結えてある染め紐だとわかった。
以前から彼女の戦いを目にした事はあっても、斬魄刀を解放した姿は知らなかった。
だから思わず魅入ってしまったが、本来やるべき事に専念する為に僕は視線を前に向ける。
霊子の弓を番て、力の限り引き絞る。
矢数の多いリヒトレーゲンを放っても傷はつかなかった、目の前の卵の様な物体。
数で駄目なら、力で押すまで。
虚が粗方片付くのを待って、邪魔が入らないのを待つ。
ギジリと音を立てて更に輝きを増した霊子の矢を、遂に僕は放った。
ガギィィン‼︎
「なっ………⁈」
矢は、確かに物体を射れた。しかし傷ひとつ付かずにそのままな所か、霊子の矢自体を霧散させてしまった。
と、次の瞬間には虚が辺りを囲んでいた。
「くっ………!」
「石田さん!身を低くして矢を射る態勢でいてください‼︎
吹き飛ばします‼︎」
「わかった‼︎」
「極大 飄風牙突‼︎」
辛うじて答え体を低くしたと同時に、唸りを上げる凄まじい強風が、虚達を空へと押し上げた。
彼女の意図を理解した僕はすぐさま、矢を放つ。
空へと飛ばされた虚達は強い風圧の所為で身動きが出来ずに、そのまま矢に貫かれて消滅する。