第6章 手をのばすは夢の中
息咳切ってたどり着いた場所は、大きな池がある町内でも大きな庭園だった。
4体の虚と対峙していた石津さんを助太刀する為に、僕は銀嶺弧雀を構えて霊子の矢を放った。
彼女の斬魄刀が虚を斬り伏せるのと、僕の矢が消し飛ばすのが同時に起こり、全て倒された。
「大丈夫かい、石津さん!」
「石田さん………モネにコンさんまでっ。
助かりましたっ!」
「正直困っていたので………。漸く"あれ"に専念できます」
額の汗を拭った彼女の視線は、漂うひとつの物体に向いていた。
「あれは何だ………」
「わかりません。たださっき倒した虚も、私が最初に退治した虚も"あれ"に引き寄せられて現れたみたいです」
見た目は、巨大な卵と言ったほうがわかりやすかった。
それが庭園にひとつあるだけだった。
それだけの筈なのにどこか異様で、思わず目を逸らせずにいると、石津さんの声で漸く其方を向けた。
「さっきから斬りつけても、硬すぎて刃が通らないんです…」
「なるほどね。なら、僕がやってみるよ。
………石津さんも気付いてるかい?駄目だとわかったら、直ぐにそっちにいくから」
言い終わらない間に、僕等を新しく現れた虚が取り囲む。
かなりの数がにじり寄る様は、余りいい状況とは言えなかった。
「大丈夫です!この状況は流石に私も斬魄刀を解放しないと間に合いません。石田さんは出来る限り"あれ"を調べて欲しいです。
モネとコンさんはトンボ返りですが、この事を至急浦原さんに伝えてください!」
「わかりました!」
「よくわからんがヤバそうだし、行くぞ!」
二人の気配は消えたが、其れを逃すまいと虚が動く。
「追わせません!」
すかさず斬り伏せた彼女は、斬魄刀を上空へ放り投げながら鬼道を放ち、数体の虚を1度に倒した。
流れる風の様に素早く、確実に虚を穿ち抜いた彼女。
思わず、僕はその姿を見続けていた。
そして、手元に戻った斬魄刀を、漸く解放させたのだった。
「荒べ 風司‼︎ "すさべ かぜつかさ"」