第5章 サイドストーリー *ふたつめの贈り物*
話がまとまった私たちは、待っている彼等の元へと歩き出した。
「そう言えば、モネがさっき驚いてたのはどうして?」
「いや……あの人と同じ台詞を聞いたので。ちょっと吃驚しただけです」
「そうなの?」
そっと石田さんを見れば、目があって。
思い出すのは………少し前のこと。
モネと話す為に歩き出した私と、すれ違う石田さん。その刹那ーー
『大丈夫だよ』
そっと、言ってくれた。
止まりかけた体だったけど、そのまま動いてくれて、モネとちゃんと話せた。
今思えば、緊張を………解してくれたのかな。
再び見れば、微笑んだ石田さんとグッと親指を立てている茶渡さんの姿が。
話を聞いて答えをくれた、茶渡さん
ひと言の勇気をくれた、石田さん
ちゃんと、二人にはお礼を言わなくちゃ。
そう決めて、私は前を向く。
「二人共、いい方向に落ち着いたみたいだね」
「ああ。気持ちの根本はきっと同じだったはずだ。後は、話せばすぐだろう。
石津は………真っ直ぐなぶん、何かあると悩みすぎてしまうのかもしれないな」
茶渡くんのその言葉に、思わず彼を見やる。
やれやれと笑っているが、優しい目を彼女に向けていて。
それが、なんだか。
上手く言えないけど、こう…引っかかる。
どうしてそんな事を思うのか。
茶渡くんは友達で、彼女を心配するのだって普通のこと。
普段の彼とは違う様子を見たからか。
「どうした石田?」
不思議顔の茶渡くんが、ぼんやりしていた僕を気にしてか、声を掛けてくれたらしい。
気付けば、石津さん達も此方にいて。
「いや………なんでもないよ」
眼鏡のブリッジを直しながら、答えた。
そのすぐ後に黒崎達も合流し、そのまま浦原商店へと僕らは戻る事になった。