第5章 サイドストーリー *ふたつめの贈り物*
公園に辿り着き、黒崎や茶渡くんに一報を入れた僕は、みんなが来るまで待つ事にした。
理由を少しずつ話してくれた彼女だったが、まだ自分で答えが出せていないのか悩んでいる様だった。
「様子がおかしかったのは、そんなことがあったんだね。
でもいくら傷が治っても、まだ動くのは良くないよ。石津さんが心配しないかい?」
「………それは、わかってます。ただ頭を冷やしたかっただけで。でも私が決めたことを、どうして実穂様は否定なされたのか。
あの人の為に自分で決めた事なのに………」
膝を抱えて俯いたままの彼女に僕は話かけた。
「君が怪我した時ね、石津さん凄く辛そうにしてたんだ。
普段の彼女とはだいぶ違って焦ってもいた。
大事だから、君には何もない様にしたかったんじゃないのかな。
例え彼女が本心では、それが無理なんだってわかっていてもね」
「どうして貴方が………そんな事わかるんですか」
「大事な人が目の前で怪我する姿なんて、見たい人はいないさ。君の気持ちを石津さんがわかっていたとしても、痛い思いもして欲しくなかったんだろうね」
「私にとっても、あの人は大事な人なんです!
でも、どうしたら良かったのか………」
「怪我をしない程度の、君にしか出来ないことを探してみたらどうかな?
なんて、僕はこれしか言えないな。
あとは2人で話す事だよ」
「私にしか出来ないこと………」
にこりと僕は笑って答えたが、彼女は考え出してしまう。
やがて立ち上がり、此方を向くと一礼された。
「………ありがとう、ございます。
話を聞いてくれて。
まだ上手く答えは出なくても、自分で考えてみます」
「うん、よかった。頑張って」
顔を上げた彼女は、照れくささが顔に出ていて、ボソボソとでも気持ちを伝えてくれて、内心ほっとした。