第5章 サイドストーリー *ふたつめの贈り物*
石田と分かれた俺が、石津と会ったのはそれから暫くしてからだった。
どこか覇気のない姿が気になって、移動しながら聞いてみることにした。
「なるほどな。それで喧嘩になって飛び出したって訳か」
「本当は自分が不甲斐なくて謝りたかったんです。モネにはただ、そばで待っていてくれるだけでいいって思っていて。それを話す前に、出ていかれてしまいました」
「私は………待っていてくれる存在がいるから、頑張れるって思うんです。仲間なら傷付いて欲しくはないですよね?」
「それは………そうだな。仲間は傷付いてほしくはない。
でも実際、何も起きさせない様にする事なんて不可能に近い。今日みたいな事があるのが普通なんだ。
だから、井上を庇った事もそれで怪我をした事も、あいつなりに覚悟を持ってした行動なら、俺はそれを尊重してやればいいと思うぞ」
「覚悟があってもモネには怪我して欲しくないです。
私が護ればいいんです」
「石津………」
ここまで頑なな姿を知らない俺は驚いたし、どうしたものかと思う。
これだけ怪我に対する感情が強いのには、きっと何かあるんだろう。
俺は、こいつをよく知らない。
上手いことを言ってやれる自信もない。
それでも俺は、悩んでる石津を放っておきたくはなくて。
ゆっくりでも話し出すのを待つことにした。
不意に足を止めたのは石津で、じっと地面を見つめぽつりと溢した。
「でも、あの子がする事を私自身が本当に止める事なんてきっと出来ません。茶渡さんの言う、覚悟を持って人の為にとした事だから」
「あいつが体を張ってまで井上を庇ったのは、石津の為でもあるんじゃないのか?
本人が言ったなら、それが本心なんだろう」
「私はどうしたらいいでしょうか………」
「道を示してやるのはどうだ。
話を聞く限り、互いを思ってるのは俺でもわかる。
石津が言う一緒に居るって事が、ただ護るだけの存在としてあいつを置く事なのか?」
「違います。仲間として一緒にいたいです……!」
顔を見れば、悩んでいた瞳の色が消えた。
石津なりの答えが出たのだろう。
「よし、探しに行くぞ」
「はい!」
再び、俺たちはモネを探す為に走り出した。