第5章 サイドストーリー *ふたつめの贈り物*
「縛道の八十一 断空‼︎」
鬼道で創り上げた硝子のような巨大な壁が
境界線の様に、内と外を区切る。
「この中なら気兼ねなく戦えます!」
大声を張り上げた私に、その内で戦う黒崎さんや茶渡さんが応えた。
「助かるぜ石津‼︎ いくぜチャド!」
「ああ!」
巨大な拳撃と黒い月牙が虚を貫くが、まだ数は残っている。
「光の雨!! "リヒト・レーゲン"」
石田さんが上空から霊子の矢を雨嵐と降り注がせ、更に数を減らす。
あとひと息!
「縛道の三十七 吊星!」
背後に創り出した霊子の床を足場にしながら、五つの方向に伸びた紐をしなる弓に、自分の体を目一杯引絞られた矢のように置き換えた。
「よし!この勢いにのって………斬り込む‼︎」
一か八かの戦法でも、斬り伏せてしまえばそれで事は済む。
ダン‼︎っと激しい衝撃を辺りに響かせながら、残りの数体をとてつもない速さと一太刀のうちに風司で斬り伏せる。
「やっ………た?!」
体勢を整えながら空中で確認するが、崩れかけた首だけの虚が一体、井上さんに向かっていた。
「井上さん‼︎」
「危ない!」
私と石田さんが危険を知らせれば、間に合わない!と彼女の焦った顔が見えた。
「四天こっ………!!」
突然虚との間に飛び込み、井上さんを庇った姿。
それは、魏骸に入ったモネだった。
「っ………あっ‼︎」
「モネちゃん!」
「ちきしょう!」
黒崎さんによってトドメを刺された虚はそのままに、全員が怪我を負ったモネの元へと急いだ。
ザックリと肩が抉られていて傷が深い。
すぐに井上さんのチカラで、モネの治療が始まった。