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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第4章 過ぎゆく秋空の日々



「お客さん!閉店の時間ですよ!」











「閉店ですか⁈すいませんっ‼︎」







物凄い勢いで、物凄い寝言を言って、彼女はついに起きた。



「…………ぁれ?お勘定は?
…………夢?………………皆………さん?」


「おはよう、石津さん。大丈夫?」




「………………………………………ハイ」



変わらない笑顔のままの井上さんとは対照的に、彼女はまさに茹で蛸状態だった。





笑いを堪えるのに必死で、思わず僕は彼女から視線を逸らす。



黒崎や茶渡くんも、かなり笑いを堪えるのに我慢しているようで。
でも結局耐えきれなかった黒崎は笑い出した。


「失礼だぞ、黒崎」

「ぶはっ!………わりっ、でも限界だわ」


「本当に………すいません。私寝ちゃってたんですね」



茶渡くんが気遣うように声をかけて、申し訳なさそうに彼女は答えた。


「疲れてるんじゃないか?石津」

「朝は割と強いし、寝ないように気をつけていたんですが駄目でしたね。お恥ずかしいです。でも元気ですよ!ありがとうございます」

そう応えを聞いた茶渡くんは、ならいいと笑っていた。




と、予鈴が鳴ってみんなは席に着きだす。




隣から、躊躇いがちに名を呼ばれて。



「あの…石田さん」

「どうしたの?」


見れば彼女は、迷いながら恥ずかしそうに呟いた。





「昨日から数学を勉強していたんですが………理解出来なくて。申し訳ありませんが、聞いてもいいですか?」


「それに関しては僕も石津さんに渡す物があるから、放課後に改めて聞くよ」


「はい、ありがとうございます」



ホッとした様に笑って応えた彼女は、前を向く。




以前にも似たような事があった。
でも少しだけ何か違うと感じるのは、なんでだろう。





ふと………そんな事を僕は思った。





やがて、越智先生が教室に来てホームルームが始まる。

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