第4章 過ぎゆく秋空の日々
私は斬魄刀を鞘に納め、みなさんと合流して互いに労をねぎらった。
「凄い拳撃でした!あんなに威力があるんですね」
「修行で上手く自分のチカラを掴めたみたいだ。
石津の斬魄刀の能力がなきゃ、少しキツかっただろう」
「俺も気配を辿ったら、いきなり霧が晴れて
虚がこっちに飛んできたから吃驚したぜ」
「やはり一護だったんだな」
「ええ。正確に虚が黒崎さんの所に行くように仕向けるのは少し大変でしたが、退治出来て良かったです。
周りの地形や人々、魂魄にも影響はありませんから」
にこりと呟けば、不思議顔のお二人は思ったことを溢したようだ。
「何でそんな事わかるんだ?てか、そこまで考えて………何の音だ?」
「いま硝子が割れるような音が………」
シャリーン…………‼︎
「おい、また虚か?」
「でも代行証は鳴ってなんか…」
響いた音に警戒をしだすお二人に、私は参ったなと思いながら言葉を発する。
「すいません、私なんです!」
「「は?」」
「私達のチカラや虚の攻撃が広がらないように鬼道を張ってたんですけど、今解除しました」
「…………紛らわしい!」
「すっすいません!」
「敵がいないなら、それでいいじゃないか。石津は最善を尽くしただけだ」
「まあ確かにな………」
ふぅと脱力した黒崎さんと彼の肩に手を置く茶渡さん。
「しっかしすげーな、お前…ルキアよりしっかりしてるよ」
「対策は常に万全にしておけと教えてくれたのは、その朽木副隊長ですよ?
現世の人々や魂魄にも配慮しなければならないから、建物を壊したりもなるべくしないようにって」
ガシガシと髪を掻きながら、大きな欠伸をする黒崎さんに大丈夫かと声をかけると、茶渡さんは時刻を教えてくれた。
「………………マジでか。つーか寝むい。いま何時だっけ?」
「5時半過ぎだな」
「早いな‼︎ 帰ってまだ寝れるぜ。行こう」
「そうですね。そうしましょう」
三人連れ立って河原を後にする。
私も少なからず眠さを感じていた。
商店に戻ったら仮眠しようかな、なんて考えながら。
日の出までは、あと19分。
今日から大変な4日間の始まりだ。