第4章 過ぎゆく秋空の日々
茶渡さんは左腕を変化させて、チカラを拳にのせている。
白く滑らかな鎧の腕は、内に静かな力強さを秘めているようだった。
ギリギリまでチカラをのせているのを肌で感じる。
その証拠に、膨れ上がる霊圧で光がビリビリと周りを包む。
目を閉じて、感覚を研ぎ澄ます。
もう少し
気配がだんだんと近ずいてくる
「いきます!」
「ああ!」
私は解放した斬魄刀を掲げて、空へと言葉を発する。
「纏風 のぼり龍‼︎
"まといかぜ のぼりりゅう"」
瞬間ーー。
吹き上げた一瞬の風により、辺りの濃霧は掻き消え視界が開ける。
「魔人の一撃‼︎‼︎ "ラ・ムエルテ"」
同時に叩き出された茶渡さんの強烈な一打。
はち切れんばかりに膨らんだチカラは、轟音と稲光の如く眩しい光と共に、真っ直ぐ虚へと向かっていく。
虚を突かれた事で攻撃を受けながらも、敵は空へと逃れた。
片腕を吹き飛ばされ、バランスを崩しながらも虚はこちらに攻撃を仕掛けようとしていた。
「させるかよ」
そこに、振り下ろされた一太刀。
「ギャアッ!」
避ける間も、防ぐ間もなく薙ぎ倒されたのだった。
崩れ落ちる虚の躰を眺めながら、降り立つ背中に私は声をかける。
「いい時に来てくださってありがとうございます。黒崎さん」
振り返る彼は、ふっと笑いながら此方を見ていた。