第4章 過ぎゆく秋空の日々
「石津…どうしたこんな朝早くに」
「虚の指令が入って、場所は河原でした。茶渡さんは?」
「思い立ってランニングしてたんだが、俺も虚の気配を感じたんだ」
「そうでしたか」
そう二人で話していると、だんだんと濃い霧が広がり、そのせいで視界は見えない。
心なしか空気も冷たく感じる。
霧がなす冷たさか、又は虚の殺気か。
「自然の霧………じゃないな」
茶渡さんの言葉で私も頷く。
油断無く意識を張り巡らせて、集中する。
ズドガァ‼︎
巨大な腕が地面を穿つが、跳躍して避ける。
息つく暇なく二打撃目が飛んでくるが、それを茶渡さんの腕から現れた盾が防ぐ。
その隙に、斬魄刀を抜いた私は虚の腕を斬り落とす。
堪らず虚は霧の中に身を隠す。
追撃をしようとしたが、突如周りにあった霧はより濃くなり、茶渡さんの姿が見えづらくなる。
これでは霧の中に飛び込んだところで、何も出来ずに自滅しかねない。
「背中合わせになりましょう!」
「………だな。見えなくなったとしても、隣にいる感覚がわかる」
互いに背中合わせになり、警戒を怠らずにいた。
視界が一層悪くなる。と茶渡さんが悔しそうに溢す。
「霧を晴らさないことには、どうにもならないな」
「そうですね。それは、私の斬魄刀の能力で消せま………」
「どうした石津?」
「もう一つこちらに気配が来ますね」
「………確かにな」
遥か先。
しかしこちらに向かう存在。
茶渡さんも感じた様だ。
「うまく合わせて、一撃必殺といきましょう茶渡さん」
「ああ、のった」
茶渡さんの顔は見えなくても、声色からふっと笑っている様に私は感じた。
小さな声で手短に作戦会議をした私達は、動き出す。