第4章 過ぎゆく秋空の日々
眠りについている感覚の中で、ザワリと空気が淀んだ気がした。
その空気に引きずられる様に、私は目を覚ます。
「………虚の気配だ」
ぽそりと呟いて、布団の手近に置いてある鞄から義魂丸を取り出して、死神化する。
傍らには、私の義骸に入ったモネが。
「お仕事ですね」
「モネは学校の身支度をしながら待っていてね。」
「わかりました。………今回は無傷で帰ってきてくださいね!」
指示を出して踵を返したとき、モネの言葉が聞こえて。
振り返れば、笑いながらも心配してくれている顔が見えた。
だから私も、心配させない様に答えた。
「うん、気をつけるよ」
浦原商店を出ると、まだ薄暗い日の出前。
懐にある伝令神機からの指令を確認して、虚が出現するであろう場所まで瞬歩で移動する。
おおよその場所までは感覚でわかっても、最後は確かな情報に限る。
町境にある河原に辿り付くが、そこにはなんと茶渡さんがいた。