第4章 過ぎゆく秋空の日々
頼んだ食事が届き、黒崎さん以外の私達は食事を始めた。
石田さんはお魚の定食を、私は天丼を、井上さんはオムライスセットを頼んだ………のだけれど。
このオムライスと呼ばれる食べ物は、なかなか異様な見た目をしていた。
黄色い楕円の形をしており、中にはこれまた赤いご飯が入っていた。
あまりにも、その………じっと見てしまったようだ。
井上さんにどうしたのかと、聞かれてしまった。
「オムライスとは、その様な不思議な食べ物なんですね…。カレーをみた時と同じくらいの驚きです」
「ソウルソサエティには洋食はないだろうしな。でも、味は悪くないと思うぜ」
「ちなみに、そのオムライスとは何ですか?」
「何って言われてもな…」
「洋食で美味しい料理としか、答えられないね。うーむ、難しい!」
どう答えたらいいかと悩み出した黒崎さんと井上さん。
すると、石田さんが答えてくれた。
「トマトケチャップで味付けしたご飯、つまりライスを包んだもので、オムライスのオムは薄焼き卵の料理オムレットのオムなんだ。
シンプルだけど、美味しい料理で……「はいどーも。もうわかったぜ」
「説明してるのになんだい…」
「話長くなると思ってよ」
話を遮られた石田さんは少しムッとしていて、黒崎さんはどこふく風といった様子だった。
また喧嘩になっては大変だと、私は急いで言葉を発した。