第4章 過ぎゆく秋空の日々
揉め事の話を聞いて、私は思ったことを話した。
「何かがあっても、向き合って受け止めてくれる存在がいるのは、やっぱり嬉しいと思います」
「黒崎さんには、なんていうか護る力だけじゃ無い、自分じゃ分からなかった思いを気付かせてくれるような………そんな強さの中の優しさもある方だなと思います。
私自身も言われて気付いた大事な事も、ありました」
虚に対する激しい怒りで前が見えなくなっていた私に、黒崎さんがかけてくれた言葉は、正しい判断と為すべきことを思い出させてくれた。
「もしかしたら石田さんも、そんなことがあったのかもしれません」
「きっと、そうだね。
なんだか素敵だよね!」
「はい、そう思います」
再び、ふふっ互いに笑い合う。
以前のように、気持ちが寂しさを訴える事は無かった。
寧ろまた少し、みなさんのことを知れて良かったと今の私は思っている。
そう思えたのは、石田さんの言葉のおかげ。
あの時、聞いてもらえて良かったと改めて思うのだった。
「なんだ二人して笑って」
「何かいい事でも、あったのかい?」
「女の子同士の秘密の話!
でも、いい話だよ!」
「ですね!」
そこへ黒崎さんと石田さんがそれぞれ飲み物を持って席に戻ってきた。
私達のにこやかな様子とは対照に、二人は不思議そうな顔をしていたのだった。