第4章 過ぎゆく秋空の日々
石田さんと黒崎さんを落ち着かせて、今は私達は席についている。
周りのお客さんから、なんだ喧嘩かと迷惑そうな目を向けられてしまったが、なんとか事無きを得たのだ。
私は紅茶を、井上さんは冷たい飲み物をそれぞれ飲んでいる。
「相変わらず二人は賑やかだなぁ」
「喧嘩するほど仲がいい、とも言えますね」
先程の一悶着を思い出して、お互いにクスリと笑いを溢した。
「そうだねぇ。でも最初は、今とは違ったみたい………。
私も少ししか聞いてないんだけど、死神代行の黒崎くんと滅却師の石田くん、一度揉めた事があったんだって」
「本当ですか?」
少し意外で、思わず私は疑問の声を出していた。
「気持ちの面で譲れないものや、後戻り出来ない状況があって、でもそんな中で二人は虚を倒す為に一緒に戦ってたよ」
「黒崎くんがね、『あいつは、やり方が良くなかったけど、ただ自分の思いを通そうとしただけだ』って言ってた」
「それからかな。なんだかんだで黒崎くんも石田くんも喧嘩するけど、一緒にいるのは」
ふっと優しい顔で、井上さんは話してくれた。