第4章 過ぎゆく秋空の日々
「こんな感じでしょうか?」
一枚の白紙に間違えた問題を、それぞれの科目に分けて書き出してみた。
「よし、そしたらまずは英語からだな。点数が低い割に丸がついてる数があるのが気になるからな」
「僕は数学の方を見るよ」
そうゆうと、井上さんと黒崎さんが此方を向いて話し出す。
「石津さん、文法や単語は殆ど間違いはないんだね」
「つーことは、リスニングか」
「リスニングとは?………もしかして、いきなり流れたあの、呪文のようなものですか?」
「………それだな」
「授業でもリスニングやってなかったっけ?」
「よくわからず、聞き流してました………」
井上さんと黒崎さんの目が点になっていて、
本当に申し訳なく思う。
「ま、まあこれから聞けば大丈夫だよ!石津さん物覚えいいみたいだし、きっと直ぐだよ」
「………ありがとうございます」
いまいち出来るか不安な気持ちが顔に出ていたのか、黒崎さんが呟いた。
「後は音楽を英語で聴いてみる、とかも良い方法だな」
「最初からいろいろ聴いても頭こんがらがるし、お前好きな歌あるなら、そうゆーのから英語に慣れればいいんじゃねぇか?」
「帰りにポータブルプレーヤー貸してあげるね!それがあれば、いつでも聴けるから耳がこの呪文にもなれるから!」
「呪文じゃなくて英語な、井上………」
「ぽぷ?えと………?」
「手軽に曲を聴ける道具だよ」
「本当にありがとうございますっ」
納得して私は2人に頭を下げる。
きらきらした目で此方をみる井上さんとジト目の黒崎さんだったが、私のやるべき事は、ひとつ定まったようだ。