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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第4章 過ぎゆく秋空の日々


そうこうしていると、石田さんが廊下を此方に歩いてくるのが見えた。

「浅野くん達を見たんだけど、すごい賑やかだったね」

「そっとしておいてやろう」

「もちろん、そのつもりだよ」



しばらく私は考え事をしていたのだけれど、茶渡さんと黒崎さんの言葉にみなさんの視線が此方を向く。



「石津はどうだったんだ?」

「そうだよ、大丈夫だったのか?」



どう返したらいいかと無言でいると、さらに視線を集めたようで。



「おい、まさか………」

「石津さん…?」




やっぱり聞かれた。
みなさんの半信半疑の視線が痛い。


顔が引きつっているのを感じながら、渋々答える。





「二教科が………駄目でした」







「「「「「………………」」」」」





みなさんの無言が耳に痛いし、すごく恥ずかしい。
思わず俯く。




なるべく話を振られない様に黙っていたんだけど、そうゆう訳にはいかず。



「言い訳のしようもありません。勉強してもわからなくて…」




素直に話せば、ふぅと溜息が聞こえた。



「まあ、石津はもともと死神だしな。最初から点採れてたらビックリだ」

「追試は今週末だから…時間あんまり無いね」

「僕たちで分かるから、どうにかなる様にしよう」

「心配するな、石津。大丈夫だ」


正直、笑われるかと思った。

それとは真逆の言葉が聞こえて、顔を上げる。



みなさんの顔が見えて、大丈夫だと安心しろと伝わってくる。



「………すいません、ありがとうございます」



終始無言だった有沢さんと本庄さんは、四人も居るならと浅野さん達の方に様子を見に行くと言って、その場を去った。



「織姫達がいるなら心配してないよ。ただどうしても手詰まりになったら途中参加するから、よろしくね石津さん」



その言葉も残して行った。





昼休みの終わりを告げる予鈴が響いて、放課後にまた話す事を約束して私達は教室へと戻った。
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