第4章 過ぎゆく秋空の日々
時が経って、昼休み。
越智先生が言った通り、廊下には順位表が貼り出されて人だかりができている。
私も、みなさんと一緒にその場にいるのだが。
「相変わらず、このメンツは頭いいのよね」
「この…とは?」
「ほら見てみなよ、ここ」
有沢さんに指差されてみた紙には、考査での上位順位者の名前がずらり。
その中には、石田さんを筆頭に井上さんや茶渡さん、黒崎さんの名前があって驚いた。
「………すごいですね」
「今回も頑張りました!」
「さすが私の姫だね♡」
「誰もあんたのじゃない!」
本庄さんと有沢さんの取っ組み合いが始まって、井上さんは仲裁をしてる。私も仲裁に入るべきか考えていると………。
「本当になんなんだよ、二人して!俺はっ…俺はこんなの認めない‼︎‼︎」
「煩いですよーー浅野さん」
ぎゃーと走り去る浅野さんがいて、残される黒崎さんや茶渡さん。
小島さんはジト目で溜息をついている。
「流石に3年目ともなると、見慣れた光景でも笑えないな」
やれやれと笑って、男性陣の方に様子を見に行く事にした。
「たつき…。石津達も見にきたのか」
「はい。みなさんすごいですね」
「もうお前らは結果見たのか?」
「まあね。私は追試にならなくてホッとしてるよ」
有沢さんが言うと、小島さんは苦笑いで答える。
「浅野のやつ、また泣いて走ってったね」
「珍しく放課後残って勉強してたから、悔しかったんじゃないかな。一応、様子を見てくるよ。面倒だけど」
「大変そうなら手伝うからって啓吾に伝えてくれ。」
「舞い上がって泣きついてくるけど、いいの?」
「前言撤回だ。」
そう言うと、クスリと笑いながら小島さんは携帯片手に歩き出した。
黒崎さんはぽりぽりと頬を掻いて、なんとも言えない表情になる。
「水色がついてるし、大丈夫だろう」
茶渡さんの言葉に短めに頷いて、黒崎さんは答えた。
「そういえば、石田さんは一緒じゃないんですね」
石田さんがいない事に気づいた私は、茶渡さんに尋ねてみた。
「ああ。生徒会の仕事の引継ぎをしてから来ると言っていたから、もう来るんじゃないか?」
「俺らだっていつも一緒ってわけじゃねーよ」
「………違うんですか?」
「ちげーよ!」
思った事をそのまま言えば、黒崎さんに突っ込まれてしまった。