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BLEACH 叶わない願いをそれでも願う

第4章 過ぎゆく秋空の日々


ひと通り歌い終わって少し休憩となった事で、皆さんはテーブルにある食べ物を食べている。

私は飲み物を飲んでいて、もう少しで空になる。

ちびちびと飲んでいるお茶だけれど、なんだろう。味がよくわからない。

それでも飲み干した私は、お代わりを取りに行くからと、席を外した。



のはよかったけど………













「やり方がわからないっ」



四苦八苦しながらも、お茶をカップに入れて手近の椅子に座る。


戻らなければと頭ではわかっている。
だけど、今はもう少し一人でいたかった。






皆さんの笑い声や話す思い出話。

それを聞いて私は、どうしてこんなにも………寂しさを感じているんだろう。


そう感じるのは、変だ。


つい最近出会った彼らと私には、思い出なんて殆どない。




確かに、一緒に歌って話たさっきの時間は私も楽しかった。
でも、だからこそ。
寂しさも感じてしまった。









それに、思うことはもうひとつ。










あんな風に楽しそうな石田さんを私は知らない。

いくら少しずつ話すようになったと言っても
皆さんといる時みたいな石田さんの姿を、見たことがない。




少し………皆さんが羨ましいとも思う。



ふぅっと吐き出された溜息は、重い。


こんな感情は、良くない。

楽しい時間が台無しだ。
黒崎さんや石田さんにも言われたのに、気にしすぎだって。




でも、溜息だけは止まらなくて。
重い気持ちをどうにかしたくて、顔を両手で覆って深呼吸をする。





その時。







「石津さんどうしたの?」






聞こえた声の方向を向けば、石田さんが立っていた。
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