第4章 過ぎゆく秋空の日々
「む………俺からか。」
機械を操作している茶渡さんに特に迷いはなく、すぐに音楽が流れ出す。
「あまり上手くはないが、好きな曲なんだ」
みんなに向かって呟いた茶渡さんは、ふっと笑って歌の始まりを待つ。
"STAY BEAUTIFUL''
♪♩♬〜♪♩♬〜♪♩♬〜♪♩♬〜♪♩♬〜
茶渡さんの歌う姿は想像できなかったけれど、リズミカルでどことなく彼らしい曲だった。
結構速い歌詞だったのにすらすら歌えるのがすごい。
「いい曲でした、茶渡さん!殆ど英語混じりでしたけど、すごいですね」
「俺は小さい時、外国に居たからな」
「そうなんですか?」
「俺と茶渡は中学からの付き合いだから、この中なら1番長いよな。」
「よく絡まれて、その度に止める間も無く喧嘩してた様な…」
「しゃーねーだろっ。あん時はガキだっ「今もあまり変わらないじゃないか」
「うるせーよ、石田!」
そうなんだ…。
確かに、堅い絆が皆さんにあるとは思っていたけど。
阿吽の呼吸みたいにお互いの事をちゃんとわかっている。
信頼の強い絆が黒崎さんと茶渡さんにはあるのかもしれない。