第4章 過ぎゆく秋空の日々
「はい、到着ー‼︎」
「「「………」」」」
「井上さん、ここは?」
学校から遠く、駅前までやってきた僕達の目の前には建物がある。
学生にとって週末で金曜日なら、特に賑わう
場所だった。
「みんなで来たかったんだ!カラオケ‼︎」
にっこりと笑う井上さんと目が点な僕ら男性陣。
………とりあえず、スイーツ食べ放題じゃなくて良かったかな。
「カラ?えと、何ですか?」
「ここは、みんなで好きな歌を歌って楽しむ場所なんだ。」
分からない彼女に僕は掻い摘んで教えた。
「確かに前にも来たけどよ。こーゆーのは苦手なんだよなぁ」
「そうゆうな、一護。せっかく井上が考えてくれたんだ。」
二の脚を踏んでいた黒崎の様子に、井上さんはシュンとしてしまった。
すると彼女がすかさず井上さんに答えた。
「私は嫌いじゃないですよ!
朽木副隊長も現世にいた時に楽しかったって教えてくれましたし!」
「うし!息抜きだ。歌うか」
「みんなでやれば楽しいさ」
「そうだな」
それぞれの言葉で元気が出た井上さんは笑ってくれた。
「ありがとう、みんな。受付してくるね」
「俺も行こう」
茶渡くんと井上さんがその場を去る。