第4章 過ぎゆく秋空の日々
試験後--。
昼過ぎには試験が終わって帰宅となる。
「駄目な気がする…」
ぷしゅうと頭から湯気でも出そうだ。
「大丈夫?石津さん」
「大丈夫じゃないかもしれないです」
ぐったりした私に苦笑いの井上さん。
「お疲れ様、石津さん。そうだ!
これからテストお疲れ様会するの。石津さんも行こう!」
「お疲れ様会…ですか?」
「うん!他のみんなも集合場所にいるから。」
「………え………え?」
井上さんによって、ぐいぐいと腕を引かれて連行される私。
なんかこんなの、前にもあった様な…
井上さんに連れられてきた集合場所とは、校門の前だった。
「みんな、遅くなってごめんね!」
そこに居たのは、
黒崎さん 茶渡さん 石田さん
確かに、皆さんだった。
「あの……これは…」
言葉に詰まる私に、井上さんは言う。
「お疲れ様会、みんなでするの。たつきちゃんや小島くん達にも声かけたんだけど、バイトとかで今日は無理みたい」
そう残念がる井上さんでも、仕方ないっと呟いて笑顔に切り替わる。
「テスト終わりだからって、またやるのか?井上」
「うん、やるよー。明日は学校お休みだし、丁度いいからね。」
「まあ、いいんじゃないか。実際息抜きにはなるんだ。」
黒崎さんや茶渡さんの話で、前にも同じような事をしたのがわかった。
「お疲れ様会ってことは、何かぱーと華やかなことでもするんですか?」
「前はバーベキューしたよな、確か」
「そうだね。ただ、僕らは今回何をするか知らされてないんだ。場所も内容もね。井上さんが発案者だから」
「………げ。マジか」
「………不安だ」
「………言ったら失礼だろ」
石田さんの言葉に、ごにょごにょと青い顔をして茶渡さんと黒崎さんが呟いた。
そんなに、嫌なことでもあったんだろうか。
「お疲れ様会、なんですよね?」
「まあ、そうなんだけどな。」
「井上さんを信じよう」
どうゆうことか未だ理解できないでいる私は、三者三様の青い顔とその前でルンルン歩く井上さんを見ていた。