第1章 始まる音は聞こえない
風をきってこちらにくる
知った気配を僕は感じた。
「ネェーーーさーーーわーーーゴフッ!!」
「久しいな、コン」
「あ…足蹴にされても、姐さんへの愛は消えないぜ…」
見事に踏みつけられてるコンに哀れみを向ける面々であった。
「てか、いつから居なかったんだよコン」
「テメーらの攻撃の所為で飛ばされたんだよ!」
虚を倒したときに強い風が辺りを駆けぬけたのを思い出す。
「それは…悪い事をしたね。」
僕は謝りつつ、彼の話に耳を傾ける。
「あの死神の姉ちゃんが拾ってくんなきゃ、
大変だったぜ。」
指差すほうへ視線を向けると、
腰に刀を下げ黒い着物姿の女性が立っていた。