第1章 出会い
「あいばさん…」
なぜか頬を赤く染めて、二宮がボソッと言った。
「あいばさん…か。あ、相葉さんと同じ苗字じゃん!」
俺がそういうと、二宮以外の二人が吹き出した。
え?っとオドオドしている俺を見兼ねて、櫻井が口を開いた。
「その相葉だよ、潤。」
「え……?」
俺は一瞬理解が出来なくて固まる。
その相葉……その…
相葉に目をやると、相葉は嬉しそうに頷いた。
「えーーー!!この相葉さんなの!?全然忍びっぽくないのに!?」
驚きのあまり声が大きくなる。
「ちょ、失礼だよ!一応これでも忍びですぅ!!」
起こって鼻息を荒くしつつ、
ほら見ろ!と言わんばかりに忍者のポーズを披露する相葉。
「ふふ、ごめん、ごめん。」
その姿につい苦笑いしてしまう。
ほんと元気だな、この人。
「いつものことなんだよ。バカすぎて忍びに見られないんだよな?」
櫻井も笑いながら言った。
俺と櫻井のダブルパンチにますます大きな声で抗議し始めた。
「翔くんまで酷いよ!俺こう見えて結構強いんだよ?」
「でも、バカなのは事実でしょ?」
さっきまで赤面して俯いていた二宮が、意地悪そうに口角を上げてニヤッと相葉を見上げた。
「ま、でも和は俺を選んでくれたもんねぇ~!」
相葉は一気に嬉しそうな顔になって、二宮の肩を抱き寄せる。
「和はね、俺が一生守るんだ!!」
ねぇ~っと二宮の頬に自分のを押し付けている。
はは、なんだこれ。
二宮は耳を赤く染めて相葉の頭を叩くけど、満更でもない様子で、
完全に忘れられている俺らはまた笑ってしまった。