第2章 事件
「あ、大野。」
「あれ?起きたの?」
俺が潤の部屋に着いたのは、午前3時頃だった。
外は真っ暗で、みんな寝てる時間だったから潤も寝てるもんだと思ってた。
俺が部屋を出た時は寝てたしね。
「あぁ、喉乾いたから。」
「そっか。」
「どっか行ってたのか?」
潤が俺をつま先から頭の先までじっくり見る。
「あぁ、櫻井に会ってた。」
「櫻井??」
「うん、さっきの事件の詳細を聞きに行ってた。」
潤の目が見開く。
「やっぱり櫻井いたの?」
「うん。一緒に潤を助けてくれたから。でも後始末任せてたんだよね。だから見に行ってた。」
「そっか。なんか言ってた?」
「ただの小さい集団の仕業だって。」
「集団?」
眉を顰める潤。
「うん。小さなね。でも、そいつらもう捕まえたってさ。」
「え?警察?捕まったの?」
展開が早すぎてびっくりしている潤。
「当たり前だろ?潤を誘拐した上に暴行まで働いたんだぞ?」
「ま、まぁそうだけど、、」
「それに櫻井は赤家の人間だから、警察とは繋がってるからね。」
「あー、そうなんだ。なるほどね。」
潤の顔が納得の表情に変わる。