第2章 事件
大野said
「潤。」
寝てる潤の髪を梳く。
「ふぅ、じゃあ行くか。」
俺はそっと潤の頭から、腕枕してた腕を引き抜き体を離して、
そっと布団から抜け出し外着に着替える。
そのまま靴を持つと潤の部屋の窓から飛び出した。
夜風を切ってさっきの倉庫に向かう。
ストン
倉庫の入口の前に降り立つと、後ろから声を掛けられた。
「来ると思ってたよ。智くん。」
「俺もいると思ってたよ。櫻井。」
「はは、流石だな。潤は大丈夫か?」
「あぁ。今は寝てるよ。」
軽く話しながら倉庫の中に入る。
「で、なにかわかったか?」
俺は唐突に尋ねたが、櫻井は取り乱すことなく答えた。
「うん。小さなただの集団だったよ。金と、まぁ暴行目的だな。どこかのプロ集団でも、でっかい組でもなかったよ。」
「そうか。」
「うん。潤の名前と顔は意外と知られているからね。その集団はもう潰しといたから大丈夫だよ。」
「早いな。」
小さな集団の犯行だと知り少し安心する。
「ちょろかったよ。」
確かに赤家の櫻井にとってはこのくらい朝飯前だろう。
赤家は警察とも繋がってるしね。
政治家や総理大臣に付くのも赤家が多い。
「だろうな。」
倉庫の中には椅子が1つ置かれているだけだった。
潤が座らされていた椅子。
「悪かったな。後始末までさせて。」
「全然いいって。当たり前のことだろ?」
「ありがとう。」