第2章 事件
ラーメンを半分くらい食べ終わった頃に後ろでタイマーの音が聞こえた。
大野のカップラーメンだ。
「くそっ!!」
ほっとこうと思ったのに、タイマーは鳴り止まない。
イライラしながら立ち上がると、ピッと音と共にタイマーの音が鳴り止まった。
あ、止まった。
そちらを見ると、大野が嬉しそうな顔で自分のラーメンを持っていた。
「は!!?」
「何びびってんのさ?」
「え?いや、帰ったんじゃねぇの?」
「はぁ?カップ麺置いて帰るわけないだろ!隣の部屋のやつ脅して俺の部屋と変わってもらってたんだよ。」
荷物も全部運んだから遅くなった、ごめんな?
と謝りながら俺の隣に腰を下ろす。
「あ、そうなんだ。」
「うん。」
「って、え???俺の隣の部屋取ったの?」
「うん、傍にいたいもん。」
当然のようにそう言いながらニコリと微笑んでこちらを見上げる。
ドキッ…
え、なんだこれ。
慌てて視線を逸らす。
「あ、そう…」
「ふふ、潤、可愛い!!」
そう言ったかと思うと、押し倒された。
「うわっ!やめろ!」
大野の膝が俺の中心を軽く押さえつけるもんだから、再び俺がこいつの頭を叩くことになったのは言うまでもない。