第2章 事件
潤said
「くそっ、コイツなかなか手強いな。」
一人の男が額の汗を拭いながら言った。
「もう大丈夫だろ。これだけ縛れば動けない。」
すぐ側にいるもう一人が答える。
現在、倉庫みたいな所に入れられ椅子に座らされ手も足も縛られている。
ここに連れてこられる少し前に意識を取り戻した俺は、必死に抵抗したが、男が何人もで掛かってくると逃げるのは流石に不可能だった。
縛られている手を動かすが、結び目が想像以上に硬くてほどけない。
「でもなんか、そそるな。」
「は?何言ってんだよ、男相手に。」
「なんかだって、可愛い顔してない?」
「あんたら、俺を離さないと痛い目にあうぞ?」
男たちの話を遮て脅し文句とともに睨む。
「あ?そんな状況で何ができるんだよ?」
「でもやっぱりどんな顔しても美人だなぁ〜。
ひでおさん、犯していいっすか?」
一人が後ろで偉そうに座っていた男に声をかけた。
ひでおさんと呼ばれた男は、立ち上がって俺の前まで歩いてくると、ニヤリと不気味に笑った。
ゾクリと背筋が凍る。
「うっ…」
顔を持ち上げられる。
「確かに睨んだ顔もそそるな。」
気持ち悪い顔が近づいてくる。
顔に息がかかり、
顔を顰めると益々ニヤリとイヤらしく笑った。
その時だった。
「うっ!!!」
ブチュリと音がなるくらい、勢いよく唇が塞がれる。
気持ち悪い!!
「んーー!!」
必死に口を閉じるけど、顎を持たれ無理やり口を開かせると、ヌルッと舌が入ってきた。
必死に逃げる俺の舌を追ってくる。
うっ……くそっ!!
そいつの手の力が緩んだ瞬間に、俺は力を振り絞って思いっきり噛んだ。