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御曹司と忍び 【気象系BL】

第2章 事件



大野said


『一生口きいてやんねぇからな!』


一生…一生…

「潤…」

あまりのショックに思考が停止したまま、
潤の帰っていった方角を見つめることしかできないでいた。


「櫻井翔、何か用か。」

そんな状況でも俺は後ろの気配を感知した。


「顔も見てないのにどうしてわかるのさ。」

「わかられたくなかったら気配くらい消したらどうだ?」

無表情で答える俺に苦笑いをする櫻井。


「これでも一応消してはいるんだけどね。」

「何?」

俺はちらりと櫻井に目を向けた。

「いや?特には何も。」

「そうか。」

特に興味もないから、俺は気にせずに歩きだした。

でも、櫻井は話したりないのか俺を追ってくる。


「落ち込んでたように見えたけど、潤にフラれた?」

「お前には関係ない。」

「何も気にすることないと思うよ。」


全てを知っているように言われるとイラッとくる。

お前が潤の何を知ってるんだ。

そう言いそうになったがやめた。

言たところで、欲しい言葉が貰えるわけじゃない。


そもそも俺にとって櫻井とかいう男は、特に重要じゃない。

潤以外には誰も何もいらない。


「あいつ面白いやつだよなぁ〜」

でもってうるさい…。

一人の気分を害されるのは、俺が最も嫌うことだ。
それを知ってか知らずかベラベラ喋り続ける櫻井。

「はぁ…」

聞かないフリをして、寮の方向に思いっきりジャンプすべく足に力を入れた。

なんせ、忍者なもんで!こうやったらまぁ、早く帰れるんだよね。

もしかしたら潤よりも!待伏せしよう!


でも、俺は跳べなかった。

跳び出す寸前に遠くの気配を察知する。


「潤!!!」
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