第2章 事件
「大野?」
怪訝に思て眉を顰めると、大野はフワッと笑った。
「な、俺のこと智って呼べよ!」
「は?」
ますます怪訝な顔をすると、
緩く抱きしめられた。
「潤、今日一緒に寝ような?」
「なっ!!///」
耳元で低く呟かれ、顔が熱くなる。
それを隠すように、その頭をスパーーンと叩いたて、
痛がる大野を残して、早歩きでその場から離れる。
「ちょ、待って!潤!」
「うっせぇ!付いてくんな!付いてきたら一生口きいてやんねぇからな!」
俺はそう言い捨てるとダッシュでその場から逃げた。
「潤くん!」
「あ、ニノと相葉さん!」
しばらく歩いていると後ろから、二人がやってきた。
「一人で帰るんですか?」
「あ、うん。青寮に。」
「寮なんだ。よく父さん許したね?」
「まぁ…ね。」
この学園は全寮制なわけではなくて、家が近い人は家に帰ることが一般的だ。
でも、俺の父は『一人暮らしもしてみなさい。いい経験にもなる。』と、俺を寮に入れさせた。
過保護なわりに変なところだけ放任主義なんだから。
まぁ、俺的にも自由になりたかったから二つ返事で寮生活は決まったんだけどね。
ただ、この学園は学園内には寮が存在していなく、学園の外にいくつか存在する。
そのため学園を出て少し歩かなければいけないのだ。
青寮は基本的には青家の者が入る寮で、俺の家は、一応忍びは青家の者を雇っているため、俺も青寮に入ることになったのだ。