第1章 出会い
潤said
ふぁ!!??ここどこだ!!!?
さっきまで自分の教室にいたのに!
大野を教室から追い出そうと思ったら腕を掴まれて、急に体が軽くなった。
で、気づいたらここにいる。
校庭の裏か?
後ろは壁。前は木が立ち並び、草ぼうぼう。まるで森だ。
学園とその森の間の小さな空間に押し付けられる。
目の前には大野がいてじっと俺を見つめている。
「な、なんだ!?」
「潤…」
ゆっくり俺を抱きしめて、はぁっと吐息を出す。
っ!!////
下股に押し付けられる大野のそれ。
「ちょ、何やってんだ!!?」
慌てて押し返すけど大野の力は異常でピクリともしない。
「やっぱり、お前じゃなきゃダメだ。」
そう言うと、ゆっくり顔近づいてくる。
「ちょっ!待って!たんまたんま!!」
抗って横を向く俺の両頬を両手で覆って固定する。
「!!!」
近づいてくる唇にギュッと目を閉じた瞬間だった。
グイッと大野の体が俺から離されていった。
「うわっ!何!!?」
大野の慌てた声に目を開ける。
そこには怒ったように暴れる大野と、その大野の首根っこを掴んだ背の高い一人の男がいた。
俺が状況把握する前に、その人が大野に向け怒鳴った。
「お前何してるんだよ!!授業中だろ!!」
その迫力は怒られてない俺でさえ縮こまるほど怖い。
鬼みたいな形相で今にも大野が食われるんじゃないかと思えてくる。
なのに大野はすました顔で言い放った。
「あんたには関係ない。」