第1章 出会い
「潤、まだ痛い…えへへ。」
「…。」
「潤!ふふー、潤。まじ可愛い。」
人差し指で俺の頬をプスプスと指として遊ぶ大野。
「……あぁ!もう、鬱陶しいな!早く自分の教室行けよ!!」
もう朝のチャイムなったんだよ?
さっさと自分のクラス戻れってんだよ!
「ぬぇ〜〜嫌だよ〜、潤と一緒にいたいもん。」
心底嫌そうな顔で無理やり俺の座ってる椅子に半分座ってくる。
「やめろ!狭いだろ!!」
そう言って押すと
キュルキュルと音が出そうなほどつぶらな瞳で俺を見てくる。
「そんな目でみてんじゃねぇよ!」
「ふはは、あざといなぁ〜」
「翔くん、笑ってないでどうにかしてよ!」
さっきから何回もお助け視線を送ってるのに全部無視しやがって!
「でも無理矢理は追い払おうとしないじゃん。」
クスクス笑ている櫻井をキッと睨むけど櫻井はお構い無しだ。
しばらくその顔を睨んでると、横から手が伸びてきて、グイっと顔の向きを変えらた。
向きを変えられた先には大野がいて、ブスっとした不機嫌な顔で俺を見ている。
「他のやつ見んな!俺を見ろ!」
「いや、意味がわからないから。離せ。」
「俺は潤が好きだ。だから、他のやつ見んな!」
「……」
今の言葉だけ聞いたら、普通の告白でドキッとするところだだろうけど、もう今の「好きだ」も何回目かわからない。
永遠に言われ続けるんだよ?
俺からすればたまったもんじゃない!
「だから!別に俺はそういうのに偏見はないけど、俺は男に興味ねぇって。」
そして、この言葉も十回は言っている。
「どうやったら恋愛感情芽生えんだよ。」
「はぁ?もういいよっ!」
面倒臭いからそう言い捨てただけなのに
こいつと言う奴は…
「えぇ!本当!?付き合ってくれるの!!?」
そう言って超テンションMAXで俺を抱きしめた。
「げっ!そういう意味じゃないったら!離れろ!!」
だあぁぁぁ!!うぜぇぇぇ!!!