第1章 出会い
「大野智だ!」
「どうしてここに?」
「どういうこと…?」
周りから聞こえてきた声で
俺を抱きしめているのが大野智だと知った。
「潤。会いたかった。」
大野の腕が強く俺を抱きしめる。
え…なに…この状況!!?
動こうとしても大野の力が強すぎて動けない。
でもそれといって痛いわけではなく、あくまで優しく抱きしめられていた。
海の香りに似たものが俺を包む。
その香りはどこか懐かしい気がした。
「潤……」
切なげに響くその声。
再び何かがドクンと俺の中に落ちる音がした。
「え…え、ま、まって!なに!?」
とりあえずこの状況から逃れたくてもがくが、俺の慌てる声は大野には届いていない。
耳元で静かに息遣いするのがわかる。
カァーと自分の体が熱くなるのを感じた。
でも、その熱が冷めるのは一瞬だった。
「やばい…勃つ。」
と、小さい声で呟いたかと思うと、あろう事か半勃ちのそれを俺の腰のあたりに押し付けてきた。
っっ〜〜〜!!/////
俺は人生でこれ以上ないというくらい力強くその頭を叩いたのだった。