第1章 “麦わら”との冒険
──── なるほど
「嫌い」と言い切れない何かが、あの娘にはあるわけだ。
気まずい話題をごまかそうと、ひねり出した質問だったが、予想以上の反応にニヤついてしまう。
「かわいい人」
「ハァァ?!! てめェ、おちょくってんのか?!」
「アハ、ごめん ごめん」
思ったことがつい、そのまま口に出てしまっていた。
「調子 狂うぜ」
頭をガシガシとかきむしりながら歩く“剣士”を、早足で追いかける。
妖刀の『呪い』に打ち勝った彼
あの『鬼モード』の彼はどこへ行ったのか
──── もし
彼に自分の『呪い』を打ち明けたらどんな反応をするだろう
どんな言葉をくれるんだろう
──── かわいい人
今度は声に出さずに、彼女はそう思った。
*
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§ 進水式~グランドラインへ
ローグタウンを出港したゴーイング・メリー号。
嵐の中、ついにグランドラインの入り口へさしかかる。
「おれは 海賊王!!!」
「おれァ 大剣豪に」
それぞれの夢を誓う進水式。
『仲間』ではなく『乗客』だと言っているのに、やれ! とばかりに視線を向けてくる。
「え~っと、じゃあ、私は『愛を探す』?」
本当の旅の目的を、“麦わらの一味”に話していない彼女は、けっして嘘ではない言葉でごまかした。
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