第1章 “麦わら”との冒険
「ああいう娘が好きなの?」
「??」
刀、剣、戦い方、“鷹の目”、黒刀 ……
それらでいっぱいだった“剣士”の頭の中。
意味不明な質問によって、思考を停止させられる。
「さっきの娘。 眼鏡の、おっちょこちょいの」
「ハァァ?!!」
人通りが多いローグタウンのメインストリートに、ひときわ大きな声が響く。
「なんだよそれ。んなわけねェだろ! なんでそうなる?!」
「嫌いなの?」
大声でキレた“剣士”が、今度は黙ったままズカズカと大股で歩みを早めた。
─ 武器屋での彼は、どこか変だった。
いつもなら、他人にあまり干渉しない彼が、バツが悪いというか、意識しているというか、そんな風にみえたから。
『彼らしくない』
あの娘に原因があるのは明らかだったが、ここまで露骨に反応しなくても。
彼女が小走りで距離を詰めると、“剣士”は何やらゴニョゴニョと文句を言っている。