第32章 約束
「このペースでいけば、左腕と、上半身体内で……、あと2回……か、3回」
アルコは脚を撫でる手を止めて、ローを見上げた。笑顔が消えたのは、治療時の痛みを思い出したからだ。
「今回と同量は耐えられるか?
──── それか、もう少し減らすか。減らせばその分、回数と期間はかかる」
「……少し、考えさせて」
あの痛みを耐えて、あと数回で終わらせるか。それとも1回分の痛みを減らして、回数を増やすか。
前回の痛みを思い出すと即答することが出来ず、アルコは口ごもった。
「その前に……何か欲しいか。したいことは あるか」
治療による大きな山を越えたばかりだ。
ここまで広範囲の治療は初めてだったし、痛みの強さと継続時間は今までと比べ物にならないものだったのだろう。不安になるのも無理はない。
うまくいったからといって、先を急ぎすぎてはいけない。
そう思ったローは、前回の治療を終えられたことに立ち戻り、“ご褒美”を提案する。できるだけ前向きになれるように。
食べたいものがあるなら、手配しよう
したいことがあるなら、協力しよう
アルコのためになら
おれはなんだって してやれる
「外へ出たい」
「……ダメだ」