第32章 約束
アルコはサイドテーブルにカップを置き、再び新聞に目を落とす。
「気になる? ルフィのことが。……“D”だから」
「それだけじゃない」
ローの返事は、到底 答えとは言えないものだった。しかしアルコはそれ以上の詮索をせず、目を伏せたまま微笑むに とどめた。
『じゃあ、どうして』『なにが気になるの』
とは、聞かなかった。
ローは、頂上戦争でルフィの命を救った。
その事実だけで十分だ。
『ルフィを生かさなければならない』
ローが自分自身で そう感じて、動いたという事実。それだけで、十分だ。
新聞には、シャボンディ諸島での『麦わら一味の偽物騒動』からの『完全復活?!』、他にも『ソウルキングの引退ライブ』の記事が載っている。
「みてみて、キッドの記事も出てる」
自分たちが出会ったシャボンディ諸島のオークション会場。そこは“彼ら”とも出会った運命のスタート地点。成り行きとはいえ、その場所でローは、ルフィとキッドと共闘した。
その後、マリンフォードでルフィを救い、女ヶ島で療養させた直後、アルファ島でキッドと再び出会った。
ユースタス・“キャプテン”キッド。
彼もまた、“新世界”に挑む“最悪の世代”のひとりとして、新聞を賑わせていた。
「気になるか」
「全っっ然。ローは?」
「どうでもいい」
アルコは噛み締めるように歯をみせて笑った。