第32章 約束
「協調性なんて、微塵(みじん)もないもんね」
アルコは、七武海の面々を そう評した。
全員を知っている訳ではないが、何人かはミホークを通じて 会ったことがあるし、ミホークの存在というフィルターを通してだが、どんな人物かも聞いたことがある。
ひとりひとりが曲者(くせもの)揃い。その印象は強烈なものだった。馴れ合うこともなく、“孤高”という言葉がよく似合う。
とくにミホークは、その典型とも言えるだろう。彼は他の七武海はもちろんのこと、海軍とも海賊とも群れることなく距離を取っていた。“仲間”と呼べる海賊も ────
「そう言えば…! “赤髪”のシャンクスとは仲良しみたいだよ。昔、何かあったのかな。“同じ世代”を生きてるからね」
“同じ世代” ──── そう口にしたアルコに、ローは白湯(さゆ)の入ったカップを手渡した。アルコはそれを両手で受け取り、まずは手を あたためる。
“最悪の世代” ──── ローやルフィ達は世間からそう呼ばれている。
ミホークとシャンクスが同じ世代を生きたように、ローやルフィ、そしてキッドも“今”の世代を生きる海賊だ。
「どんな男だ、『四皇』赤髪は」
「どんなって ────」
アルコは白湯をすすった。
熱と甘さが喉を下る。カップを口から離した後、細めた目をローに向けた。
「イケてるね」
「ハッ……、手強そうだな」
アルコのその回答に、ローも再びニヤリと笑い返した。